お兄ちゃんは英語が話せない
転勤でアメリカに引っ越した兄弟の悲劇
吉田さん(仮名)は海外に支店を持つ大手企業で働いていました。ある日、アメリカへ転勤することになり、長男の一馬(仮名)くんと妹で長女の朱美(仮名)ちゃんそして奥さんの(恵美さん.仮名)4人でアメリカのカリフォルニア州に引っ越すことになりました。一馬くんは小学校6年生、朱美ちゃんは1年生でした。
アメリカで2人は現地校にいきなり入れられました。一馬くんも朱美ちゃんも英語は全く話せません。
1年経って、一馬くんは友達の話が少しだけ分かるようになってきました。なんとか聞き取れた単語を電子辞書で日本語にして意味を理解するという血がにじむような苦労をして生活していました。
アメリカに来てから2年が経過してようやく友達の話は分かるようになりましたが、自分の気持ちを伝えることはできませんでした。2年半が経ったころからやっと話し始めることができるようになりました。
運命のいたずらでしょうか、3年経ってこれから英語で友達と話せるかもというタイミングで帰国しました。
一方、妹の朱美ちゃんは渡米後半年もすると相手のいうことを理解し、1年が経つ頃には友達と普通に会話ができるようになりました。その後の2年間、小学校で普通に勉強していました。
帰国後、少しだけ日本語が不自由でしたが、すぐに慣れ、今では日本語も英語もペラペラです。
お兄ちゃんの一馬君は25歳になった今、英語は苦手だという意識があります。当然のことながら、英語を話すことはできません。いえ、一般の日本人よりは上手だと思うのですが、英語が話せないという傷を心に負っているのです。
アメリカに留学すれば英語が話せるようになる、なんていうのは迷信です。
アメリカで勉強できることは日本でも勉強できます。
10歳を過ぎたら、英会話の勉強方法は大きく変わります。
子供が言葉を覚えた方法で英語をマスターすることは絶対にできないのです。
(この話は実話です)